日本時間8日行われた「日米首脳会談」では、石破総理が対米投資額を1兆ドルに引き上げることを表明するなど、経済面での日米連携が確認されましたが、県内経済への影響はあるのでしょうか。専門家に聞きました。
今回が初対面となった石破総理とトランプ大統領。
会談は和やかなムードで始まりました。
(トランプ大統領)
「日本の石破総理と会えてとても光栄です/彼は非常に尊敬されていて素晴らしい仕事をしている。日本の人々は彼のことが大好きだ。これはいいことだ」
会談後の共同会見では、石破総理がアメリカへの投資額の引き上げを表明しました。
(石破首相)
「本日私から。対米投資額を1兆ドルといういまだかつてない規模まで引き上げたい」
また、日本製鉄によるUSスチールの買収計画については石破総理の示した「買収ではなく投資」との修正案をトランプ大統領が受け入れました。
今回の会談を経済の専門家はどう見たのでしょうか。静岡経済研究所の恒友専務理事は…
(静岡経済研究所 恒友専務理事)
「一番懸念されていたのは、いきなり日本に対する関税の話が具体的に出てくるかというところだったが、そういったことはなく、経済分野からは会談だけをみると成功だったかなと思う」
一方、会談でトランプ大統領は日本との貿易赤字が1000億ドル、およそ15兆円に上ると主張。
これが解消されない場合、関税引き上げを検討することになると述べています。
恒友専務理事は今後もトランプ大統領の関税に関する発言には注意が必要だと言います。
(恒友専務理事)
「特に自動車に対する関税の話も出ていたので、静岡県西部地区は自動車関連の企業が多いのでその行方を見ていかなければいけない」
さらに、県民の生活への影響については…
(恒友専務理事)
「今の流れからするとトランプ大統領は、関税に対してはディールの道具であり、今後もカードを切ってくると思います。その結果、アメリカ国内の輸入物価が上がって、アメリカ国内でインフレを誘発しています、となると「ドル高」、裏を返すと「円安」の基調は今後も維持されてしまう。輸入物価の高止まりから今後も物価高というのはある程度続いてしまうと懸念されるので、そこは注意が必要」
一方、首脳会談後、トランプ大統領はアメリカに輸入される鉄鋼とアルミニウムに25%の関税を課すことを明らかにし、さらに、貿易相手国がアメリカ製品に課している関税をアメリカ側も同じように課す「相互関税」の導入について近く表明すると明らかにしました。
これについて石破総理は9日出演した日本テレビの番組で…
(石破総理)
「これはまず、みんな同じ関税をかけるぞという球を投げていることだと思います、日本の場合、アメリカに対して例えば不法移民がいるわけでもない、薬物が入っているわけでもない。日本とアメリカの貿易の関係は他の国、メキシコなどと比べて悪い状況にはないので、全ての国みんな同じかと言えばそうではない」
恒友専務理事は関税の問題については今後、よりグローバルな視点で注視する必要があると指摘します。
( 恒友専務理事)
「日米2国間の関税の話に注目することも大事だが、その他、静岡県の企業が関連する国、中国、メキシコ、カナダそいういったところの動向も間接的に影響が出るリスクがあるので、そこは今後も注意していかなければいけない」
2025.02.10