2025.03.10

備蓄米の入札が始まる 気になるコメの価格 県内どうなる?

ニュース 価格の上昇が続くコメについて、10日から備蓄米の入札が始まります。気になるコメの価格は一体、どうなるのか。

価格の上昇が続くコメについて、10日から備蓄米の入札が始まります。気になるコメの価格は一体、どうなるのか。

入札の対象は備蓄米として保管されている2024年産の10万トンと2023年産の5万トンです。入札に参加できるのは一定の条件を満たした、コメを集荷する大手の業者で、すでに各地のJAをまとめる「JA全農」が参加を表明しています。

参加者は、10日10時までに電子メールを通じて「宮城県産ひとめぼれ」や「新潟県産コシヒカリ」といった41の銘柄や品質、保管場所ごとに入札を申し込み、最も高い価格を提示した業者から 順番に落札となります。

10日の入札で落札されなかったものが出た場合は、11日以降、再び入札が行われます。落札された備蓄米は3月下旬から4月にかけてスーパーの店頭や飲食店に出回る見通しで、備蓄米という表示はされません。

今後、備蓄米の放出によりスーパーで販売されるコメの価格に変化はあるのでしょうか?

(田子重西中原店 増田克己 店長)
「備蓄米が安く仕入れられれば、今販売している価格よりも、差額が大きくなって販売出来るかなと思います」

静岡市内のこちらのスーパーでは2025年に入り、コメの価格を2度値上げしていて、5キロで最大600円値上がったという事です。また、店長は現時点での備蓄米の入荷は未定としながらも、備蓄米は安く提供できるという思惑がある一方で、ある懸念も抱いていました。

(田子重西中原店 増田克己 店長)
「備蓄米が2023年、2024年のコメかもしれないが、値段とのバランスと思います。古米でも安く購入できれば人気が出るでしょうし、敬遠する客は新しいコメがいいのかなと思います」

仮に備蓄米が入荷した場合買い物客は、どちらのコメを買うのか尋ねてみると

(買い物客 )
「私は備蓄米じゃない方を買いますね。(どうして?)新しいコメという事で」

(買い物客 )
「僕は質がいいコメを選ぶ。野菜も高いじゃないですか。かといって野菜を食べない訳にもいかないじゃないですか。しょうがない」

袋井市のコメ農家にも異変が。すでに2024年の米は完売!そして・・・

(あぐり佐野 佐野 文菜さん)
「これが今年まく種です。3月中下旬ごろから種まきが始まります」

現在は4月の田植えに向けて準備を進めていますが、これから植えるコメにもすでに問い合わせが入っているそうです。

(あぐり佐野 佐野 文菜さん)
「令和7年のお米も予約したいという声もある。まだ種の状態なのまだ受けていはいない状況。こんなに早く種まき前からは(予約は)なくてこのような状況には驚いている」

農水省によると2024年から続く”コメ不足の解消”に向けて、新潟県や北海道など29道県が2025年産の「新米」の増産を決めています。静岡県では需要の低下に伴い、主食用米の作付面積が右肩下がりに減少していましたが、コメが品薄となっている状況をうけ、2026年度は今年と同じ数値を見込んでいます。

JA静岡経済連は「備蓄米の放出による影響を注視していきたい」と話しています。

(JA静岡経済連 食糧部 高木 一広 課長)
「コメの金額については2024年よりも大幅に高い金額で流通している。ただ今後、備蓄米の放出を受けてどのような形になるのか動向を注視していきたい。(県内が平常通りの価格に戻る可能性は?)県内についてはどこまで備蓄米が流通されるか不透明なので、まだ何とも分からない」

気になるのはコメの価格の変動や買い時、千葉県の農家では…

(弁当製造業者)
「今までの付き合いとかそういことがあるというのは百も承知で」

新米を目当てに商談にやってきた新規の業者が。

(弁当製造業者)
「仕出し弁当屋として今までやらないといかない。(安く買うため)もう30~40社行っている」

“ない袖は振れず”、契約には至らず。

(新田野ファーム 藤平 正一さん)
「今までは8月9月新米ができた時に買い時だったけど、今はない。どんどん上がりますよ」

2月23日までの全国のスーパーでのコメの平均価格は3939円と8週連続値上がり。2月14日に備蓄米の放出が発表されたあとも上がり続けています。農水大臣は7日、民間のコメの在庫は十分余裕があるとして…

(江藤農水相)
「買い急がなければいけない状況ではない」

今後コメの価格はどうなるのか、そして“買い時”はいつなのか。全国180の生産者や卸売業者などを対象としたアンケートでは、向こう3か月の価格が「今より安くなる」と見通す関係者が大幅に増加。備蓄米放出を受けた動きとみられます。コメの流通に詳しい専門家は。

(コメの流通に詳しい宇都宮大学 小川真如 助教)
「3月下旬や4月下がるとすれば備蓄米で多い品種のものは下がりやすいことはあるかもしれない。スーパーに並んでいるコメが、いっせいに500円・1000円と下がることはあり得ないと思っている」

別の専門家は備蓄米効果で5月末から6月に値段が下がり、都内で5キロ3000円から3400円になると予想。しかし、買い急ぐと全体の値段がまた上がるとの指摘も。

これから暑くなるとコメが傷みやすくなるので、必要な時に必要な分を購入するのが大事です。

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