入札不調が続いている静岡市の市民文化会館の改修工事について、難波市長は「優先的に必要な部分に限定して工事を行う」と今後の改修方針を示しました。
駿府城公園に近く、開館から47年が経つ静岡市民文化会館。13日、改修について新たな方針が示されました。
(静岡市 難波市長)
「おおむね20年間、これまで通り市民が文化活動ができるレベルの改修工事に限定して行うことにしました」
市民文化会館は老朽化のため大規模な改修を予定していますが、総事業費を124億円とした2024年4月の入札では、業者からの入札が1件もなく不調に。その後、難波市長は「単価設定が甘かった」として総事業費を約161億円に増額し、2025年2月に再入札を迎えましたが…。
(静岡市 難波市長)
「161億円に対して2倍以上の入札額でしたが、そちらでやるわけにはいかないので、161億円の範囲内で工事を行います」
参加した業者のいずれも予定価格の倍以上で入札したため、再び不調に終わりました。
そうしたなか、13日、難波市長は「事業費161億円の中で優先的かつ早期に改修が必要な内容に限定して工事を行う」と、今後の方針を示しました。
具体的な改修内容としては、「大規模地震による被害を防ぐための舞台上やロビーの天井工事」「大・中ホールの座席の更新」「トイレのリニューアル・増設」などを予定していて、予定していた耐震補強工事などを行わないため、事業費は80億円程度を見込んでいます。難波市長は、耐震の安全性について問われると、「舞台と客席は安全性が確保されている」と説明しました。
(静岡市 難波市長)
「ホワイエというホールの外にある最初に人が入るところ(入口から観覧席までの広い通路)」「このホワイエの耐震性が低い」「今後、改修をしなくても、客席にいる人については安全性が保たれている」「(ホワイエは)いつも人がいる場所ではないので、地震が起きた時は、うまく誘導することで安全性を確保していきたい」
改修工事は2026年度から始め、2028年4月から全面的に使用できる予定です。
また、難波市長は会見の中で、静岡市の中心部にある「青葉シンボルロード」の整備方針についても示しました。
(静岡市 難波市長)
「車の通行は確保するんですが、人の歩行や、そこで滞在するような広場空間を重視していきたい」「当面の間は、全面通行規制のような形ではなく、人と車が共存できるような広場の在り方を検討していきたい」
市は、中心市街地のにぎわい創出を目指し、これまで一部の区間を「歩行者天国」にする実証実験などを行ってきましたが、”車と人が共存できる広場”を前提に整備を目指すということです。「青葉シンボルロード」の再整備は2027年度から工事が行われる予定です。
2025.03.13