2025.03.05

【王国の秘密】「ハンバーグの年間購入額」静岡市・浜松市がワンツーフィニッシュ!“肉汁愛”の源…最前線に迫る

ニュース 「ハンバーグの年間購入額」で静岡市が全国1位、浜松市が2位と静岡勢が上位を独占しました。静岡県はハンバーグ王国!!県民のハンパないハンバーグ愛の源と県内各地に広がるハンバーグ旋風の最前線を調査します。

2月、総務省が発表した都道府県庁所在地と政令指定都市を対象とした家計調査で、浜松市が2024年の「ギョーザ年間購入額」で2年連続日本一を達成しましたが…もうひとつ、静岡県にとって快挙が。「ハンバーグの年間購入額」で静岡市が全国1位、浜松市が2位と静岡勢が上位を独占したのです。それも、静岡市は前年から1000円以上も購入額が増え、13位から、一気にトップへと大躍進を遂げたのです。そのヒミツとは…??

ということで、「ハンバーグ王国」とも呼ばれる静岡のハンパない県民のハンバーグ愛や、県内各地に広がるハンバーグ旋風の最前線を調査します。

今回、そのヒミツを教えてくれるのは…。

(ハンバーグ専門家 バーグマン 田形さん)
「こんにちは。ハンバーグの専門家、バーグマン田形と申します」

日本ハンバーグ協会理事長のバーグマン田形さん。藤枝市在住で、20年近く前からハンバーグの普及活動を行い、さらに、5年前からは「静岡ハンバーグ王国プロジェクト」を立ち上げ、静岡のハンバーグ文化を、さらに広めるため奮闘しています。

(ハンバーグ専門家 バーグマン 田形さん)
「静岡の食材を使ったハンバーグの開発をしたり、あらゆる角度からハンバーグの魅力を発信してきたので、静岡県でワンツーフィニッシュ決められて本当にうれしくて。僕もテンション上がって肉汁が出ちゃうくらいの」

しかし、どうしてハンバーグが静岡県民の熱愛グルメとなったのでしょうか。

(ハンバーグ専門家 バーグマン 田形さん)
「『さわやか』のハンバーグの影響が大きいと思っています。ハンバーグ=ご馳走という文化が根付いた要因は、『さわやか』にあると思う」「2024年、浜松市が1位になったことを受けて、負けじと静岡市でも購買意欲そそられたのかなと」

静岡県民のハンバーグ好きは街の小売店に行けばわかる!ということで、まずは静岡市にある「KOマートFLOZEN」へ。ここは冷凍食品に特化したお店です。

(徳増 ないる キャスター)
「入ってすぐのところに、ずらーっとハンバーグが。色々な種類がありますね」

(ハンバーグ専門家 バーグマン 田形さん)
「年々、冷凍技術が上がってきているので、高品質で調理の手間が少ないハンバーグが、どんどん普及している」

(徳増 ないる キャスター)
「手間がかかるが、焼くだけ、温めるだけの商品があると助かります」

県外では、一般の販売店で、ここまで種類がそろっているのは珍しいそうで…。中でも、クオリティーが高く人気を集めているのが、静岡の地元企業がつくる“ご当地ハンバーグ”。人気ナンバー1という、牛肉100%の「満点ハンバーグ」も、菊川市にある食品メーカーの商品です。

(ハンバーグ専門家 バーグマン 田形さん)
「家庭で牛肉100%のハンバーグを作るのは難しい。ぼそぼそして、つなぎが難しいが、これだけで家庭で外食の味が楽しめちゃう」

さらに、ここ数年で爆発的な人気を誇るご当地ハンバーグが、県内に102店舗を展開するドラッグストア「杏林堂」にも。

(徳増 ないる キャスター)
「どちらにあるんでしょうか」

(ハンバーグ専門家 バーグマン 田形さん)
「『そのまんま肉バーグ』です」

(徳増 ないる キャスター)
「こちらも重いですね」

(ハンバーグ専門家 バーグマン 田形さん)
「ズッシリとした、180gで、つなぎなしの牛肉100%。スパイス使いが特徴なので、やみつきになる味わいで人気」

実は、この「そのまんま肉バーグ」、杏林堂では、この1年間で売上が約1.5倍に伸びているというのです。この人気躍進のヒミツを、商品を製造する「シズオカミート」に聞いてみると…。

(シズオカミート 青野 博志 社長)
「ここ1年ちょっと見ると、『ゆるきゃん』でモデルにしていただいて、非常に反響が大きくて、売れているという感覚はあります」

県内の名所が、たびたび舞台となり話題のアニメ「ゆるキャン△」

キャンプが題材の作品ですが、その中で、「そのまんま肉バーグ」をモデルにしたハンバーグが登場したことで、認知度が上がり、人気が拡大したというのです。

(シズオカミート 青野 博志 社長)
「静岡市が1位になったことでありがたいんですが、まだまだ県外に行き渡っているわけではないので、インフルエンサーやSNSを通して、全国の人に食べていただけるように出していきたい」

他にも「バーグマンさん」が注目しているハンバーグが。

(ハンバーグ専門家 バーグマン 田形さん)
「ズバリ『酒場ーグ』です。居酒屋で楽しむハンバーグ。この組み合わせで楽しむのは静岡の特徴でして、特に静岡市の繁華街ではハンバーグを提供している居酒屋が多いです」

その“酒場ーグ”を提供するひとつが、静岡駅すぐの高架下にある「炭焼きバルNIKUスタンド10/10」

お酒と一緒に肉料理が楽しめるお店です。

(NIKUスタンド10/10 戸塚 直行 店長)
「失礼いたします『NIKUすたバーグ』お待たせいたしました」

(徳増 ないる キャスター)
「この音がたまりませんね」

(NIKUスタンド10/10 戸塚 直行 店長)
「『そのまんま肉バーグ』と同じパティを使用しております」

(徳増 ないる キャスター)
「『杏林堂』さんで見た、『そのまんま肉バーグ』を使っているんですね。

実は、こちらのお店、「そのまんま肉バーグ」を製造する「シズオカミート」の系列会社が運営していて、小ぶりのサイズに丸めたお肉を、炭火で一気に焼き上げることで、外側がカリッとした、家とはひと味違う、香ばしさが楽しめます。それを、熱々の鉄板で提供されます。

(徳増 ないる キャスター)
「いい色」

(NIKUスタンド10/10 戸塚 直行 店長)
「断面を鉄板に当てて」

お好みの加減で焼き上げたらソースに絡ませて…。

(徳増 ないる キャスター)
「肉汁じゅわ~ですね」

(ハンバーグ専門家 バーグマン 田形さん)
「いただきバーグ。カリッと香ばしい部分がおいしい。家でこんな風になかなか焼けなくて、スパイス使いが絶妙で、この複雑な味と炭酸シュワシュワ系のお酒が合う」

(徳増 ないる キャスター)
「たまらないですね」

ハンバーグが大好きな県民性だからこそ生まれた、お酒に合わせるハンバーグ。

(ハンバーグ専門家 バーグマン 田形さん)
「飲むときはハンバーグだねと、ハンバーグの購入額を静岡市が1位をキープできればと思いますので、お店の力を借りて、盛り上げていければいいなと思います」

(スタジオ解説)
(徳増 ないる キャスター)
今回、バーグマン田形さんとハンバーグ取材をしてみて、確かに私たちの周りにはハンバーグがあふれていて、静岡は「ハンバーグ王国」なんだと感じました。

今回、静岡勢で1位と2位を独占しましたが、これは初めての快挙で、静岡が「ハンバーグ王国」というのを全国に向けて示すことができました。

過去5年の購入額を見てみても、両市とも徐々に増えていて、特に、静岡市は今回3000円を突破しましたが、これは、全国の調査地点の中でも過去最高ということです。実は、この調査対象は、すぐ食べられる総菜やチルドタイプのものだけで、冷凍や飲食店で食べたものは含まれませんが、それでも、これだけの金額なのは、静岡県民のハンバーグ好きのあらわれですね

ここまで購入額が増加している理由として、バーグマン田形さんによると、スーパーなどがオリジナル商品の開発に力を入れていることが挙げられるそうで、「しずてつストア」では、焼くだけで食べられる「和牛入り生ハンバーグ」が、年間10万個以上も売れているそうです。

実は私、16年前にもバーグマン田形さんを取材していて、その時からハンバーグで静岡を盛り上げたいと話していましたが、その思いのまま、20年近くも静岡のハンバーグのPR活動を続けたことで、今回の快挙につながったと思います。

ひとつの夢がかなったバーグマン田形さんですが、今後は、ハンバーグを静岡の観光の目玉にしていきたいと話していました。特に、外国人にとってはハンバーグは珍しいそうで、インバウンド向けなどに、静岡にハンバーグを食べに来てもらいたいと、今後は、静岡空港などとの連携も考えているそうです。

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