私たちが普段当たり前のように使っている「道路」
安全・快適に利用できるその裏には道路を守る人たちの存在がありました。
今回、その現場に潜入!最新技術で支える驚きのシステムを取材しました
閑静な住宅街の中にたたずむ真新しい建物。実はここが静岡県の「交通管理の要」、その名も「県警交通管制センター」です。
実は10月、リニューアルオープンしたばかりなのです。
早速入ってみると…そこにはなぜか信号機が!なぜここに!?
(県警交通規制課 奥野 仁 次席)
「警察では静岡県内の信号機の整備・維持管理を行っています」
県内に設置されている信号はすべて県警が管理していて車両用・歩行者用併せて8万基以上!!!
そして奥に進むと「関係者以外立ち入り禁止」の文字が!!
この中に今回特別に入らせてもらうと…
そこには巨大なモニターが!!!よく見ると県内の道路名が表示されているようです。
これは!?
(県警交通規制課 奥野 仁 次席)
「静岡県下の道路交通状況 渋滞状況が分かる大型LEDディスプレイ」「こちらでは道路のあらゆる情報を集めて信号機の調整や交通情報を提供して交通事故防止や渋滞の解消を図っている」
こちらには、静岡県内全域の道路の情報がリアルタイムで集まりどこが渋滞しているかやどこで事故があったかなどあらゆる道路の情報をすべて集約しています。
そして、その最新情報を県内各地の道路に設置されている「光ビーコン」と呼ばれる装置からカーナビに送りさらに、ラジオなどから聞こえてくる「日本道路交通情報センター」の放送もここから行われているのです。
モニターには緑やオレンジ色に光っているところがありますが…
(県警交通規制課 奥野 仁 次席)
「オレンジの表示が10キロ以下の速度になっている状態が約500mになっていることがわかる」
実はここからが管制センターの腕の見せ所!
この施設のすごいところは交通情報の収集・提供にとどまらず、それらの情報をもとに渋滞を解消させたり起こりにくくするために信号機の制御まで行っているのです。
(県警交通規制課 奥野 仁 次席)
「渋滞が起きると渋滞の状況を管制センターのコンピューターで情報を最適な秒数で調整して運用を図っている」
信号機と言えば一日中、同じ間隔で動いていると思われがちですが混雑や渋滞などその時々の道路状況によりここから県内各地の主要な信号の制御を遠隔で行い、車がスムーズに流れるように信号機の赤や青の時間を調整しているのです。
ところで、道路を走っていて穴が開いていたり落下物があったりと異常やトラブルに遭遇したことはありませんか?
これまでは道路管理者が各地をパトロールして異常を発見した場合に対応していたため時間も労力もかかっていましたがそれがいま、市民の力を借りる形で大幅に効率アップしているのです。
その様子が見られるのがこちらの「静岡国道事務所」
中に入るとモニターには道路の様子が映っています。
そこに1本の電話が!!!!
(管理者)
「道路緊急ダイヤルです」「伊東市の新宇佐美トンネル」
一体、何があったのでしょうか?
(管理者)
「市が管理している国道でトンネルの電気がついていないということで連絡がありました」
実はこの電話市民から道路の異常を知らせる専用の電話で全国どこからでもスマホなどの電話から「#9910」にかけると最寄りの道路管理者につながるしくみでその名も「道路緊急ダイヤル」。
この電話による市民からの情報受付は2005年から始まり現在では1か月に県内だけでおよそ300件の通報があり効果が出ているといいます
(静岡国道事務所 静川 淳 副所長)
「道路の巡回やカメラの情報だけでは不十分なところがあるので走っている利用者の方から情報提供をいただけるのは道路の安全につながる」
このシステムの進化系がことしからスタートしました。それは…
(静岡国道事務所 静川 淳 副所長)
「SNSを使ったやり方で画像等も正確に入ってくるのでラインを導入してより安全になるようにと考えている」
多くの人が利用するLINEを利用して気軽に道路の異常を伝えられる仕組みで画像も送れるため現場の状況がすぐに把握でき修繕など対応までの時間が短縮できるといいます。
(静岡国道事務所 静川 淳 副所長)
「現場に指示をする際 百聞は一見に如かずというように非常に有効な手段」
実際に通報があった歩道に行ってみると修復作業が行われ段差はなくなっていました!
進化する道路の異常への対応。焼津市ではさらにその先を行く画期的な取り組みが行われています。
注目したのは「ドライブレコーダー」
これまでは1年かけて市内全域の道路をパトロールして職員の目で損傷などを確認していましたが、時間も労力も多く必要でした。
(焼津市 建設部 道路課 松田 仁志 課長)
「職員もこれから人口減少していく中で人でカバーするのも難しくデジタルでの取り組みができればということで試行に踏み込んだ」
新しいシステムでは一般の自家用車などに搭載された専用のドライブレコーダーが市内を走行中にAIが自動的に道路の損傷を検知しマップ化してくれるのです。
まずは3か月間のトライアルを行いましたが想定以上の効果があったそうで…
(焼津市 建設部 道路課 松田 仁志 課長)
「当初ほかの自治体の状況も聞いた中で6割ぐらいと聞いていたが6割よりも非常に高くカバー率が高く出ていて驚きました」
このシステムは参加している車が走行した場所が対象となるためデータが取得できない道路も出てしまいますが焼津市の場合はなんと市内の道路の約9割をカバーできたのです。
さらに、その精度もかなりいいようです
実際にこのシステムで検出された道路が損傷しているという現場に行ってみると…
(焼津市 建設部 道路課 松田 仁志 課長)
「こちらが画面で見た損傷現場 いまから職員が仮の穴埋め対応を行う」
確かに道路に穴が開いています。
ここはあまり車が通らない細い道路のため、これまでだったら、気づくまでに相当時間がかかっていたかもしれません。
職員が穴に仮のアスファルトを入れて埋めていきます。
完成から時間が経過した道路が増える中、安全な道路を効率的に維持するためにも私たちの協力や最新技術の活用がますます必要となりそうです。
(焼津市 建設部 道路課 松田 仁志 課長)
「なるべく安全に安心して通っていただける道路が一番だと思う。市民のみなさまからの情報をいただくと同時に/いち早く確認して迅速な対応をとっていければいいなと考えている」
2024.11.25