(鈴木知事)
「いかなる課題に対しても、臆することなく積極的に手を打っていく」「令和10年度までの4年間を改革強化期間と定め、集中的に行財政改革を進めていく」
18日に開会した静岡県議会2月定例会で、行財政改革に向けて意気込みを語った鈴木知事。20日、知事の右腕となる副知事案について思いを語りました。
(鈴木知事)
「中期財政計画に沿って、財政運用をしていく中で」「常に歳入と歳出の見直しを図ったり、いろいろな手を打っていかなければいけないので、そのためには、全体として県の業務、組織等も、これからもしっかり見直しをかけていくという意味では、2人の副知事が連携をして、目標に向けて全力で取り組んでもらいたいと思っている」
現在、県の副知事は、川勝前知事時代に任命された森貴志副知事と増井浩二副知事の2人が務めています。ともに県の元職員で、森副知事は2022年に就任し、リニア問題などを担当。増井副知事は、2024年に就任し、県が浜松市に建設を目指す「新野球場」の協議会の会長など担当しています。しかし、2人は、すでに辞表を提出していて、鈴木知事は、新たな副知事として、元総務官僚の平木省氏と、沼津市副市長の塚本秀綱氏を起用する方針を示しました。
平木氏は奈良県出身の50歳で、東京大学法学部卒業後、1997年に現在の総務省に入省。鈴木知事が浜松市長時代には市の財部部長などを務め、岐阜県の副知事も歴任しました。また、平木氏は、2024年に亡くなった、自動車メーカースズキの元会長、鈴木修氏からも高い評価を受けていたといわれています。
(鈴木知事)
「平木さんについては、私は1年ではあったが、浜松市長時代に一緒に仕事をした経験があるし、非常に能力のある人だと思っているし」「今は民間のコンサルタント会社で特に自治体を中心に色んな指導というか、コンサル業務を行っているので、非常に色々な知見や経験を積まれてると思うので、そうしたものを、ぜひ、これから県政で生かしてほしい」
一方、塚本氏は、裾野市出身で元県職員の63歳。1984年に入庁後、財務局長や中部地域局長を担当し、2022年7月から沼津市の副市長を務めています。また、塚本氏は、自民党会派から評価を得ていると言われています。
(鈴木知事)
「塚本さんに関しては、非常に、これまで行政経験も、県の職員としての行政経験も豊富で、いろいろな人に私も聞いたが、非常に能力の高い方だと聞いているので、塚本さん関しては、これまでの経験を生かして、ぜひ、県政の推進に全力をあげてもらえれば」
今後、議会で審議されますが、これまで副知事案を巡っては紆余曲折がありました。2024年9月、鈴木知事は、森副知事の後任として、平木氏を新たな副知事に起用する人事案を同年の県議会9月定例会に提出する方針でした。しかし、県議会最大会派の自民改革会議から「事前の説明が不十分」「浜松市に偏ったような人事案」などと反発を受け、鈴木知事も「説明不足だった」と見送ることになりました。
(鈴木知事)
「副知事の人事案件は、議会において同意・不同意を決定いただく大変重要な人事案件」「まず、事前にきちっと議会の皆さんに対して、しっかり説明をする必要があったことについては、その通りだったと思う」
その後、県議会の各会派に副知事案を説明して回るほか、記者会見では、慎重な回答を繰り返すなど、議会への提出に、着々と準備を進めてきた鈴木知事。そして、2月18日の県議会で、鈴木知事は副知事案を提出しました。
(鈴木知事)
「森副知事、増井副知事から退職の申し出があったことを踏まえ、4月から、副知事として新たに塚本秀綱氏、平木省氏をお迎えすることについて本議会でお諮りしています。次期総合計画の経営方針を基に令和7年度の当初予算編成を進め、施策の推進体制も検討してまいりました。私を補佐する副知事についても、合わせて提案するものであります」
今回の副知事案について、県の元職員で静岡産業大学の小泉教授は、「財政の再建や地域バランスを意識した人事」との見方を示しました。鈴木知事が「財政の建て直し」に意欲を見せていて、2人の財政に関する経験が豊富であることや、また、塚本氏の起用には、鈴木知事の課題といわれる県東部の市町のまとめ役を期待しての起用ではないかと話しました。
一方、複数の関係者によりますと、自民党会派内では、意見はあるものの、会派として受け入れる公算が強くなっているということです。
2025.02.20