7月7日、静岡市で観測史上最高の40度を記録。浜松市では2回の突風被害に見舞われ、台風やゲリラ豪雨により各地で冠水や浸水が。国道150号では大規模な冠水で道路は完全に水没し多くの車が立ち往生。
(島田土木事務所 維持管理課 北島 修 課長)
「通行止めになった時点60センチ程度の水位があったと推測される」
さらに、県内各地で大規模な土砂崩れが。9月下旬には人気観光スポット“夢の吊り橋”へつながる寸又峡の遊歩道で落石が発生。さらに、翌日にも南アルプスへつながる林道で土砂崩れが発生。一時200人以上が孤立。なぜ、これほど土砂災害が多発したのか?
(静岡理工科大学 理工学部 土木工学科 中澤 博志 教授)
「土砂災害というのは、やはり豪雨とかなり密接な関係にあると思う」「県内の状況も昨年に比べると土砂災害とかの発生件数も豪雨の件数も非常に増えているのではないかと思う」「昔に比べれば起こる被害は甚大になる印象はある」
さらに2024年の“異常気象”のワケとは?
(松浦 悠真 気象予報士)
「地球全体の気温が高い中で、静岡でも気温が高い状況が作られた。気温が高いほど極端な大雨が増えやすい。いろいろな現象が重なり異常気象になった」
そして、この異常気象により、新幹線が3日連続で計画運休するなど鉄道も大混乱影響が長期間となった、その理由に迫ります。
8月、国道150号で発生した大規模な冠水。原因は焼津市での局地的な大雨。これは動きが遅いことから「ノロノロ台風」と呼ばれた台風10号の影響。JR東海は在来線2359本を運転見合わせ、新幹線は初めて3日連続の計画運休を実施。なぜ、このような前代未聞の事態になったのか?
(JR東海 静岡支社 金原 重之 施設指令長)
「今回のように、台風接近前からかなりの雨が降るというのは、中々経験したことがない状況」「降ったりやんだりを繰り返し台風接近前でかなりの雨で苦労した」
JRの在来線の運行条件は、1時間当たりの降水量と土壌に含まれる雨量が、ともに規制値を下回っている必要があります。今回は、焼津市で連日、短時間の大雨が何度も降ったことにより、土壌に含まれる雨量が減らない状態が続いたのです。さらに、一度運転を見合わせると、再開には、実際に線路を見て回り安全を確認する必要があります。この2人乗りの「アルミカート」に乗って点検するため、時間がかかるのです。
(JR東海 静岡支社 金原 重之 施設指令長)
「雨が降り続いた状態であると、どうしても点検には時間がかかってしまいますので、ご迷惑をおかけするが、しっかりと設備点検をしながら運転再開を早期に行っていきたい」
今回、早い段階で計画運休などが発表されましたが、視聴者アンケートでは、「安全のために適切な対応だと思う」が82%と圧倒的で、「判断が早すぎる」という人は少数となりました。土壌に大量の雨を含んだ影響は他にも…。
(遠藤 大空 カメラマン)
「こちら静岡市駿河区の上空です。崖が大きく崩れ、ビニールハウスを巻き込んでしまっています」
いちご狩りで人気の久能街道沿いにある斜面で土砂崩れが発生。22棟あったビニールハウスが土砂に飲み込まれました。それから4か月、ここでイチゴを栽培していた澤山さんを訪ねると…。
(沢山農園 澤山秀雄さん)
「もう収穫時期。本来は。見ての通りこんな始末だから話にならない」
先祖代々100年以上続くいちご園で、ここから見る景色も人気でした。
(沢山農園 澤山秀雄さん)
「毎年予約があるんです。いつも来てくれるお客さんが」「すごい喜ばれた」
(沢山農園 澤山秀雄さん)
「当初はやり直そうかというのはあった。ここ見ると、とてもじゃないけどやれないな。俺の代で終わり」
澤山さんは残った半分のいちご畑のみでやっていくといいます。
土砂崩れは、静岡市清水区の墓地でも。51基のお墓が土砂に飲み込まれました。
(鉄舟寺 世永 天山 住職)
「最初、見た時は、本当にびっくりした。全部の墓地が下に崩れ落ち、上からは泥水が滝のように流れるという状況」
幸いにも、流された骨壺はすべて救い出すことができました。
(墓が流された人)
「私は、お墓がお金よりも何よりも大切にしていたもの」「お骨の蓋の部分は割れたが無事に出てきてくれてよかった」
現地では、現在も復旧に向けた作業が行われていますが、歩道など公道も含まれるため行政の協力も必要です。
(鉄舟寺 世永 天山 住職)
「これからは重機が入り復興に前進している」「一日でも早い復興を願っているので、しっかりと作業を進めていきたい」
鉄舟寺は、ここ数年、住職が不在で世永住職は、ことし6月にやってきたばかり。その直後に土砂崩れに見舞われたのです。2025年こそは明るい年にしたいと、除夜の鐘を復活させる計画です。
(鉄舟寺 世永 天山 住職)
「8月は、鉄舟寺にとして大きな被害を受け、大変ショックではではあったが」「来年もみなさん協力して頑張っていきましょうという意味合いも込めた除夜の鐘の行事になる」
2024.12.27