28日、大井川鉄道で起きた”異例の事故”。午後3時ごろ、列車が島田市の家山駅を出発した直後のことでした。激しい音とともに急停止。
(乗客)
「なんかあった?」
大井川鉄道によると、先頭の電気機関車の連結器と客車の連結器が外れたということです。当時、列車は約20キロの速度で走っていて、乗客81人と乗務員5人が乗っていましたが、けがはありませんでした。乗客は、発車したばかりの駅に歩いて戻り、その後、臨時バスで移動することに。
この事故により、大井川本線は一時全線で運転見合わせとなりましたが、29日朝の始発から2022年の大雨被害による不通区間をのぞく全線で再開しています。
この事故をうけて、大井川鉄道は29日午前、会見を開きました。
(大井川鉄道 鈴木肇 社長)
「申し訳ありませんでした」
大井川鉄道によると、先頭の電気機関車は1985年製、客車は1948年製で、連結器が外れた原因は分かっていないということです。また、2008年と2010年にも、別の列車で連結器が外れる事故が発生していたということです。
2022年9月の大雨被害で甚大な被害をうけ、本線の半分におよぶ、約20キロの区間で運休が続いていたなかで発生した今回の事故。会見で鈴木肇社長は「安全輸送を第一に掲げる鉄道会社として重大な事故」と述べ、謝罪しました。
(大井川鉄道 鈴木肇 社長)
「施設の老朽化が進んでいる。きちんと対応していかなければいけない。今後の鉄道の運行の継続に大きく関わるところ。そういったところが担保されない限り輸送はできないので、きちんとやったうえで復旧という話にもなる」
そして、29日の午後1時。
(増田記者)
「新金谷駅です。運輸安全委員会の調査員が調査に入ります。」
国土交通省は、今回の事故を重大インシデントに認定し、運輸安全委員会の調査官による車両の確認や、乗務員へのヒヤリングなどの調査が行われました。大井川鉄道は今後、事故の原因が判明し次第、再発防止策を検討していくということです。
2023.11.29