先週、難波市長が静岡市の2,025年度当初予算案を発表し、その中に観光に関する予算が盛り込まれました。静岡市には観光客の滞在時間や消費額単価が低いという課題も…
1月末、JR東海の丹羽社長と鈴木知事とのトップ会談。
リニア新幹線 開業後に静岡駅に停車するひかりの本数が現在の1時間1本から2本に増やす方針が示されました。
静岡市にとって地域活性につながる話題ですが難波市長は…
(静岡市・難波市長)
「静岡は観光客数が非常に少ないので、とくにインバウンド、外国人の客が少ないのでそれを増やすことによってむしろJR東海がひかりあるいはこだまを止めたくなるような街にしていかないといけないと思っています」
静岡市の観光面について弱気な発言。
さらに2024年12月にも…
(難波市長)
「静岡市はインバウンドは完全に 出遅れ状態になっています」
難波市長が珍しく弱音を吐く“静岡市の観光事情”
静岡市といえば首都圏からのアクセスがよく日本平や三保からの雄大な富士山。久能山東照宮や石垣いちご。さらには清水港の海産物など魅力がたくさんあるはずが…
他の政令指定都市と比べると「宿泊客の滞在時間や旅行中に使う観光費」で大きな遅れを取っているのです。
こちらは2022年度の「1回あたりの観光でどれだけの金額を使ったか」を示すデータです。静岡市は県内からの宿泊客が1万7646円県外からは2万6695円なのに対し、浜松市では平均が2万7719円。京都市が5万9490円と大きな差があります
県全体のデータで見ても、県内客・県外客ともに静岡市は1万円弱低いことが分かります
また、旅行客の宿泊と日帰りの割合をみると宿泊客は静岡県が51.2%なのに対し、静岡市は43.3%と日帰り客の割合が多いのです。
県民は静岡市内の観光についてどのような印象をもっているのか聞いてみました。
(70代市民)
「久能山東照宮、登呂遺跡、駿府城・・・」「地味ですね。」
(20代市民)
「駿府城公園のあたりは歩くと楽しい。この駅周辺は退屈しないんじゃないか」
(10代市民)
「見慣れているのもあるが県外の(観光地の)方が感動は大きいかなと思います。もっと楽しめるレジャースポットが多かったらいいかなと」
一方大阪から来た観光客にも話を聞くことができました。静岡市に観光に来たのは今回で4回目だといいます。
(大阪からの観光客)
「三保の松原に連れて行ってもらって最高でした。富士山が見られて幸せ/インバウンドは活用できていないですよね。外国人客がいなくてびっくりしました。大阪にはたくさんいる」
Q.他県のホテルと比べてどうですか?「候補がめちゃくちゃ少なくて厳選してうーん・・と」「繁華街がどこなのかいまいち分からなくて、ここに行きたかったらこの辺に泊まったらいいのかなというのがいまいち分からなかった」
魅力はあるはずなのになぜ“静岡市の観光”は伸びないのか。その要因について難波市長は…
(難波市長)
「観光基本計画もないインバウンドの振興計画もないという状態でしたので、ある種思いつきで今までいろいろな政策、取り組みをしていたことになる、やはりそれではしっかりとした観光振興できません」
そこで、静岡市は新たに「観光基本計画」を策定。2030年には宿泊者数を昨年度の200万人から330万人に増やしさらに観光消費額を宿泊客・日帰り客ともに高める目標を定めたのです。
この目標に向けて市は「美食」「絶景」「歴史」「ホビー」の4つを観光振興の重点テーマに掲げたほか、市内に大きく4つに分けた観光重点エリアを設定して地元関係者と連携しながら魅力を高める方針を示しました。
さらに、2025年度の当初予算案で「食」のPRに力を入れると掲げたのです。
新規事業として、その土地ならではの食文化にふれる食の旅行「ガストロノミーツーリズム」の推進を掲げ「静岡市ベストレストランアワード」を新設。市内の食材を使った魅力的な飲食店を選出して授賞式を開催するほか、食と観光に精通するアドバイザーを招き、生産者や飲食店へのセミナーを開催し「静岡市の食文化」というブランドイメージの確立を狙います。
その他インバウンド誘致の予算を拡充し、新茶シーズンの体験型観光「ティーツーリズム」のシステムの構築やインバウンドを取り扱う旅行会社に対して営業を行う地域活性化起業人を配置します。
全国、そして世界にむけた魅力発信につながるでしょうか。
2025.02.11