2024.07.12

【活性化へ】静岡駅前地下街の空き店舗に新たにライブハウスがオープン!仕掛け人の思い…そして地元の期待は

ニュース 静岡市の中心部に新たな賑わいの拠点が誕生しました。それはアイドルなどが公演を行うライブハウスですが、静岡にこの施設を作ろうと奮闘した仕掛け人の思いと地域活性化に期待する地元の声を取材しました。

静岡市の中心部に新たな賑わいの拠点が誕生しました。それはアイドルなどが公演を行うライブハウスですが、静岡にこの施設を作ろうと奮闘した仕掛け人の思いと地域活性化に期待する地元の声を取材しました。

かつては空洞化が心配された静岡市の中心部ですが、ここ数年で日本最大級のホビーショップ「駿河屋」や大学・専門学校が入る高層ビルが誕生するなど、新たな文化の風と若い人たちの流れができ活気が生まれ始めています。それをさらに盛り上げるべく7月、新たに「音楽の拠点」が誕生したのです。

静岡駅前にある地下街の空き店舗に、アイドルなどをターゲットとしたライブハウスがオープンしました。

(音楽プロデューサー 近藤 薫 さん)
「こんにちは ありがとうございます、ようやくという感じですね 」

ここを手掛けたのは、あの「Ⅴ6」がオリコン1位を獲得した楽曲を制作したりアイドルグループをプロデュースしたりするなどマルチに活躍する近藤薫さん。実はエブリィしずおかのテーマ曲も作曲しています。現在は静岡に拠点を移し音楽プロダクションを経営していて、ライブハウスを作ろうと考えたのは1年以上前。そこには静岡への熱い思いがありました。

(音楽プロデューサー 近藤 薫 さん)
「静岡は音楽のレベルが高いと思っている。可能性がある子もいっぱいいると思う。しかし、やる場所が少ない。才能を生かしてもらうため静岡のエンターテイメントを盛り上げたい」

しかし、近藤さんが考える150~200人規模のライブハウスを作るには、5000万円ほど必要です。

(音楽プロデューサー 近藤 薫 さん)
Q.こういう経験は今まで?
「ないですね。お金を借りて事業をしたことはないです」「大金ですよね。どう考えても怖くてしょうがないですよね。なんか無理してやる意味あるのか、ちょっとたまにブレーキ踏みそうになりますけど」「教えてもらった物件を見たらドキドキワクワクするんじゃないかと思って」

近藤さんを興奮させた物件というのが…。

(音楽プロデューサー 近藤 薫 さん)
「ここなんです。よくないですか。場所。ほんとに歩いてきて、そこが地上なんですけど、出る手前なんでかなりいいかなと思います」

呉服町通りの地下に入ってすぐのところにある、元々は居酒屋だった物件。

(音楽プロデューサー 近藤 薫 さん)
「地下いいですね。防音という意味でもいいかなと思います」

ライブハウスを作る上で一番重要で費用も掛かるのが「防音」。

(音楽プロデューサー 近藤 薫 さん)
「金額は高いですが地下なので、何とか防音はできるのではないかと思う」

静岡でライブハウスを作りたいという思いを銀行に何度も説明し、無事に融資を受けることができ、2024年2月から本格工事が始まりました。

そしてオープンまで1か月となった5月末…。

(音楽プロデューサー 近藤 薫 さん)
「だいぶ外観もできて」「細かいところを修正しているところ。マジカルリバーという名前が完全に決定してロゴも付けました」

ライブハウスの名前は「マジカルリバー」。そこに込められた思いとは?

(音楽プロデューサー 近藤 薫 さん)
「静岡駅からこちらに来るとき、センターから通路が分かれるところをよく通っていて、川みたいだと思って」「マジカルな川にしようかなということでマジカルリバーにした」

店頭には液晶パネルが設置され、中に入ると特大ビジョンが!!

(音楽プロデューサー 近藤 薫 さん)
「大きめのビジョンで、ステージのパフォーマンスと連動した演出をこだわった」

ようやく近藤さんの思いが形となったようです。

(音楽プロデューサー 近藤 薫 さん)
「1年前では全く考えていなかったことなので、音楽を始めた時から夢の一つではあったので、スタッフとワクワクしている」「生で音楽に触れてほしいという思いがある。手軽で来やすい場所に本物の音を届けられるところを目指したい」

オープンは7月7日の「七夕」。多くの花が飾られ会場内も準備万端です。

(音楽プロデューサー 近藤 薫 さん)
「お客さんも楽しんでアイドルやアーティストも楽しんでやってもらう」「ここで場数を積んで成長してもらえればと思う」

この日、静岡市は観測史上最高の気温40度を記録する猛暑となりましたが、お店の前にはオープンを待ちわびた多くのファンの行列が。

(ファン )
「駅から直行で来れて日陰でよかったです 出演者が多いので全部のライブが楽しみ」

(ファン )
「地下街がシャッターが多いので、オープンすることで静岡がもっと盛り上がればいいかなと思う」

そして午後2時を過ぎ。

(ライブハウスのスタッフ)
「先頭1番の方から受付始めます」

すると、いきなりトラブルが!

(ライブハウスのスタッフ)
「伝票用紙ください」

スタッフもまだ慣れず、ドタバタ劇がありながらも続々とファンが受付を行い、会場内は満員に。そして…。

(ライブハウスのスタッフ)
「近藤さんステージ入り」

当初、トップバッターとしてステージに立つ予定はなかった近藤さんが、スタッフの後押しで登場。

(音楽プロデューサー 近藤 薫 さん)
「本番開場前に、スタッフが近藤さんが歌った方がいいのではと言われました」「構想約1年素晴らしい場所と素敵な環境を作ることができました。これから毎日毎年いろんなアーティストが出ると思うので、みなさんで『マジカルリバー』を育ててほしいと思います」

この日は、アイドルなど16組がステージを盛り上、げ客席を埋め尽くしたファンも大興奮。

(アイドル 麻倉 ゆわ)
「静岡ではステージ後ろにビジョンがあるのは初めてで、すごい明るく賑やかで最高だった」「静岡はほかの県に比べてライブハウスが少ないので、ワクワクして待ちわびていた」

この新たなライブハウスの誕生は、地元商店街からも期待の声が!

(紺屋町・御幸町地区市街地再開発準備組合 金井 宣雄 事務局長)

「(大学もでき)若い街という雰囲気になってきた 再開発事業にとっても大きな力になる ライブハウスに対する期待感を相当持っている」

さらに、静岡の街が大きく変わる起爆剤にもなりそうです。

(航空・旅行アナリスト 鳥海 高太朗さん)
「やはり駅前の利便性、駅から徒歩1、2分で行けるライブハウスというのは、これはなかなかないもの。主要ターミナルの駅前が活性化される。そこに足を運びたくなる。元気な町の姿を見てもらえるような街づくり、都市づくりが、今回大きな影響を与えるのではないかなという風に思います」

大成功を収めたオープニングイベント。

(音楽プロデューサー 近藤 薫 さん)
「盛り上がっていましたね。こんなに盛り上がってもらえると思っていなかったので、うれしいです」「この地下街をまずは盛り上げたい」「少しずつ広げていって、静岡駅、市、県と盛り上がればと思う」

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