南海トラフ地震 新たな被害想定 静岡で死者10万3000人 前回の想定から微減

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静岡 2025.03.31 11:26

国が2012年に示した南海トラフ巨大地震の被害想定が見直され、31日新たな被害想定が発表されました。

南海トラフ巨大地震を巡っては国が2012年に、被害想定を発表しましたがその後、より詳しい被害分析や防潮堤整備などの対策が進んだことを反映し、31日国が新たな被害想定を発表しました。

静岡県内各市町の最大震度に関しては西部・中部を中心に震度7が襲う想定です。熱海市のみ震度が6弱に変更となりました。

続いて津波の最大の高さと、1メートル以上の津波が最短で到達する時間です。西部では各地で到達時間が1分短くなりました。

【中部】続いて中部です。静岡市清水区と焼津市は、全国でも最速の2分で到達する見込みは変わっていません。

【東部・伊豆】東部・伊豆です。伊豆ではわずか数分で、高い津波が押し寄せる想定は変わっていません

全国の死者数は、最大で29万8000人。県内は、最大10万3000人と、いずれも前回より減りましたが、国が目標としてきた「8割減少」とは大きく乖離する結果に。

建物では、全壊や焼失すると想定されるのは、全国で最大235万棟と、15万棟ほど減ったものの、県内は、最大34万6000棟とおよそ3万棟増える想定となりました。

また避難者の数は大きく見直され、全国で最大1230万人まで膨れ上がり、県内でも最大で159万人が避難すると想定されました。そして今回新たに発表されたのが地震のあとに避難所生活や病気などで亡くなる「災害関連死」で、全国で最悪の場合、2万6000人から5万2000人が亡くなると試算されました。

国は新想定を今後の防災対策にいかす考えですが、「詳細な地域条件が反映できていないケースもある」と説明していて、各自治体の被害想定も尊重するよう呼びかけています。