2024.12.05

【2年以上経過】“スプリンクラー問題”市議会質疑で市側は和解へ「協議継続」も被害楽団側はSNSで「協議進まず」(静岡・裾野市)

ニュース 静岡・裾野市のホールでスプリンクラーが作動し楽団の楽器などが被害を受けた問題から既に2年以上が経っています。市と楽団は和解に向け協議をしてきましたが、その後、和解への道筋は見えてきてきたのでしょうか?

静岡・裾野市のホールでスプリンクラーが作動し楽団の楽器などが被害を受けた問題から既に2年以上が経っています。市と楽団は和解に向け協議をしてきましたが、その後、和解への道筋は見えてきてきたのでしょうか?

5日、裾野市民文化センター。

(坂井 太一 記者)
「こちら大ホールです。この先、入ることはできません。2年前にスプリンクラーが作動し水浸しになったため、今も使う事ができません」

2025年度から改修工事が行われるという大ホール…。費用は約3億5000万円を見込んでいます。この問題は、2022年9月、裾野市民文化センターで、焼津市の楽団「シンフォニエッタ静岡」が開演前の準備中に、突然、スプリンクラーが作動し、5人がけがをした上、オーケストラの楽器などが被害を受けたものです。

原因究明のため、楽団側は独自の調査を行い、原因は“設備の経年劣化による誤作動”など発表。一方、市が設置した事故調査委員会は、最終報告で「バルブに傷が確認され、配管内で漏水があったものの、誤作動に至るほどの漏水量があったとは特定できなかった」と説明しました。その上で市は…。

(裾野市 村田 悠 市長 )
「市に瑕疵(かし)があったと断定された わけではないが、その可能性が排除しきれないという認識のもと、和解金の支払いに向けた協議を行っていきたいと考えている」

このように村田市長が示したのは、2023年6月のこと…。事故から2年以上…“和解の話”が出てからは約1年半が経ちました。5日の市議会定例会の一般質問では、市議から“市の対応”や“和解の進捗”について質問があがりました。まだ、市側が一度も楽団と会ったことがないことについては…。

(裾野市 賀茂 博美 市議)
「この件、誠意を持ってしっかり対応していく必要がある案件だと思いますが」「特別職の皆さんもそうですが、会わない理由は何かあるのでしょうか?」

(裾野市 勝又 明彦 教育部長)
「まだ、直接、楽団と面会する状況にはないという判断でございます」

市側は、和解の協議については、一括して代理人に委任しているので面会する予定はないとした一方、賀茂市議は、“まず、市側が相手の顔を見て話してから協議をお願いするのが筋ではないか”と指摘しました。

(裾野市 賀茂 博美 市議)
「(和解)協議は行われていることでよろしいですか?」

(裾野市 勝又 明彦 教育部長)
「協議は継続しております」

(裾野市 賀茂 博美 市議)
「和解案は既に相手に伝えたのでしょうか?」

(裾野市 勝又 明彦 教育部長)
「和解案につきましては、現時点では、お示しをしておりません」

(裾野市 賀茂 博美 市議)
「市民は、この件に関心を持ってい ますし、不安を払拭していくのが 裾野市の責任だと思うが、いかがお考えですか?」

(裾野市 勝又 明彦 教育部長)
「協議に一定のめどがたった段階で、速やかに協議結果等を説明したいと考えている」*

「どんな和解内容を目指しているのか」「和解案は市側で整っているのか」「和解金を算出する上で、指定管理者から被害状況の報告を受けたか」については、“協議中なので答えられない”と答弁しました。

一方、楽団側は、SNSでコメントを発表。楽団側は、「協議は進んでいない。市が和解の内容を提示せず、要求をしても回答を拒否している」。「市側の弁護士に問い合わせても、返答に数週間かかることも多く、数度の協議においても、大半が後に覆され、全く成り立たない」と説明しています。

その上で、楽団は、“今後の市への対応について”「被害に対する全ての補償と事故の責任を認め、謝罪を求めると」コメントしています。

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