2024.12.06

【異業種カフェ】飲食業とは無関係の業種からカフェ経営に続々と参入…そのワケと魅力とは?(静岡)

ニュース 今、飲食業とは関係ない業種から、カフェに参入する会社が増えています。なぜ、カフェなのか?エブリィライフは異業種が始めた個性的なカフェ!その魅力と、そこに込められた熱い思いに迫ります。

このカフェ、店内には工事現場で使う“重機”の模型がずらり。メニューもショベルカーのあの部分を型取った器を使ったカレーが。実は、ここ、建設会社が運営するカフェ。さらに、電気設備の会社が始めたのは、古民家をリノベーションしてアンティークな椅子やテーブルにこだわったオシャレカフェ。実は今、飲食業とは関係ない業種から、カフェに参入する会社が増えています。なぜ、カフェなのか?エブリィライフは異業種が始めた個性的なカフェ。その魅力と、そこに込められた熱い思いに迫ります。

最初の異業種カフェは静岡駅から車でおよそ15分のこちらの建物。入り口には工事現場で活躍するパワーショベルのあの部分が…。中に入ってみると…。

(店長)
「いらっしゃいませ」

店内には重機のタイヤを使ったオブジェや重機の模型がずらり。さらに、建設機械のシミュレーターや重機のおもちゃが用意されたキッズコーナーもあり、テーブルにも重機の写真がプリントされている徹底ぶりです。ここは、日本でも恐らく唯一の、重機をコンセプトとしたカフェなのです。この「重機カフェ・クルージー」は、8月にオープン。同じ建物に本社がある建設会社・前田重工業が運営しています。でも、なぜ、建設会社がカフェを始めたのでしょうか?

(前田重工業 重機部 小栁 正啓 部長)
「重機に興味があるけど親しみのない子どもやお母さん家族に、重機の良さを知ってもらって、将来、建設業の担い手になってほしいという思いもあって、カフェを開いた」

人手不足に悩む建設業界のイメージアップに、少しでも貢献できればという思いから、メニューも“重機”がコンセプトに。

(重機カフェ・クルージー 諸田 奉巳 店長)
「お待たせしました、バケットカレーです。こちらショベルカーのアタッチメントの一つバケットに、こだわりのスパイシーカレーが入っています」

カレーを食べるスプーンもスコップ型というこだわりぶり。さらに、ドラム缶の容器に入ったゼリーも人気で、ドリンクはバケット型も選ぶことができ、インパクト絶大です。

(重機カフェ・クルージー 諸田 奉巳 店長)
「こういったカフェは珍しいと思うので、割とこちらのカフェめがけて、重機好きな人たちが全国から来てくれる」

小さなお子さん連れのお客さんは…。

(客)
「目茶苦茶いい。楽しめるスペースもあって」

(客)
「色々写真も撮れるスペースがあったり、大人も楽しめる」

続いてやってきたのは、富士山が大きく見える富士市の「堀内電機製作所」。

(堀内電機製作所 杉田 光徳 代表)
「こちらが私たちの工場。私たちが作る製品は、工場の電気設備電気の制御をしたり、インフラの制御をする機械を作っている」

そんな、カフェとな無縁そうな会社が地元のJR吉原駅前に、4月にオープンさせたのが「ジンカフェ」。築95年の古民家を買い取り、雰囲気を損なわないようにリノベーションし、テーブルや椅子などもアンティークなものをセレクトしたそうです。広い中庭や蔵なども生かして素敵な空間に仕上がっています。それにしても、なぜ、電気設備の会社がカフェを開いたのでしょうか?

(堀内電機製作所 杉田 光徳 代表)
「高校生の時、吉原駅を利用して静岡の学校に行っていた。(当時は)とてもにぎやかで商店街があった。今、35年経って帰ってきたら、お店も全部無くなってしまって、夜になると真っ暗。我々は電気の会社なので、電気で街を明るくしたいと思った」

店長の西山さんも、元々は堀内電機製作所で働いていました。

(堀内電機製作所 Jin cafe西山 志乃店長)
「本社で5年ほど事務を務めていた。1年半ほど研修して、何を出すのかみんなで検討して進めてきた」

ランチメニューの一番人気は、キーマカレーとバターチキンカレーが両方味わえる、ハーフ&ハーフ。デザートはショーケースから選べますが、 人気は「ティラミスチーズケーキ」。また、サイフォンでいれる自慢のコーヒーは、「飲みやすくておいしい」と評判です。ところで、「ジンカフェ」を開いた理由は、もう一つありました

(堀内電機製作所 杉田 光徳 社長)
「なかなか働きたくても働けない人たちの雇用の場にしている」

スタッフの中には、ウクライナから避難してきた姉妹などもいて、様々な困難を抱えた人達の受け皿としての役目も果たしています。さらに、カフェに近い駅前のビルも改装中で、新たな事業者や、様々な人たちが集える空間も提供する予定です。

午後5時前、辺りがすっかり暗くなり、お店の灯りがともりました。お店ができる前は真っ暗だった駅前が、暖かな光で照らされています。

(地元住民)
「こちらの電飾がついたおかげで、すごくにぎやかというか明るくなって、とてもいい」「明るいね。ピカピカ」

カフェは午後7時半に閉店ですが、これらの電飾は吉原駅の終電の午前0時半まで点灯させていて、駅の利用者や住民たちに温かい光を届けるだけでなく、防犯や街の活性化も期待されています。

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