25日に発表された「移住希望地ランキング」で、4年連続で首位だった「静岡県」が2位に陥落しました。調査開始以来、初の1位となったのは群馬県。その背景には一体何が?
25日、地方への移住を支援する「NPO法人ふるさと回帰支援センター」が発表した「移住希望地ランキング」。2024年の移住相談は、過去最多の6万1720件で、各県も移住者を獲得しようと動きが活発化しています。こうした中、相談窓口を訪れた人から1番人気があった都道府県は「群馬県」で、2009年の調査開始以来初の1位に。4年連続で1位だった「静岡県」は2位へ陥落し、3位は「栃木県」という結果になりました。移住の促進に力を入れてきたという群馬県知事も、喜びを爆発させています。
(群馬県 山本 一太 知事)
「ついに、念願を果たすことができました。知事として、こんなにうれしいことはありません」「東京に近くて、雄大な自然や、おいしい食べ物があり、満員電車もなく、おそらく居住空間も広いところに住めるし、なおかつ物価も安い」「とにかく、子育て世代の人たちからの関心もすごく多くなっているんじゃないかという気がしています」
移住相談件数を年代別で見ると、50代以上では「静岡県」が1位となりましたが、「群馬県」は50代以下の年代で1位となり、幅広い世代からの移住の相談がありました。
「群馬県」が1位となった理由には、首都圏へのアクセスが良いことから、コロナ禍を気に急増したテレワーク移住に関する相談が多かったといいます。また、自然環境の中で、のびのびと子育てを希望する若い世代の関心を集めたということです。今回のランキングをまとめた「ふるさと回帰支援センター」の平田美姫さんは、群馬県の移住促進への取り組みに差が出たのではないかと話します。
(NPO法人 ふるさと回帰支援センター 広報 平田 美姫さん)
「2020年に(群馬県の)全35市町村がセンターの会員になり、移住をみんなでやっていくという機運があった。セミナーも年間57回も開催している。圧倒的に多く、例えば、そのセミナーのテーマが『暮らし』とか『古民家』とか『クラフトビール』とか『子育て』とか『アウトドア』とか」「医師に向けた移住セミナーやっていたりとか、すごい切り口がいっぱいある」
静岡を抜いて1位になった「群馬県」の印象を街で聞いてみると…。
(街の人)
「群馬は、割と子育てに向いているような開発が進んでいるのかなと。若い人達の移住が、向こうに行っているのではないか」
(街の人)
「なんで群馬県に負けるのか分からない」」
ランキングでは2位になりましたが、静岡県の移住相談者は、年々増加傾向にあります。実際に移住した人の数でみると、ずっと群馬県を上回っていて、2023年度も2890人と、過去最多を記録しています。県は、今後、他県が実施したセミナーなどの成功事例を取り入れていくほか、ターゲットを首都圏中心から中京圏、関西圏の若い世代にも広げていくということです。
(静岡県移住相談センター 秋原 さやか 相談員)
「静岡の窓口に来る人は、ライト層といって、漠然とした考えをもっている人が多い」「富士山、温泉、海、山、川があり、食べ物がおいしいというのが、静岡を選んでくれる人の理由」「県と連携を強くして、移住につなげていきたい」
2025.02.27